転職活動を始めたものの、自己PRの欄で手が止まってしまう人は少なくありません。
と感じると、不安が先に大きく感じられることもあります。
ただ、自己PRが書けない状態は、必ずしも能力不足を意味するものではありません。
多くの場合は、経験や事実が整理されていないまま“きれいな文章”を書こうとしていることが原因です。
この記事では、自己PRが書けない理由を整理しながら、最初にやるべき小さな一歩を具体的に解説します。
いきなり完成形を目指すのではなく、自己PR=自分の経験を整理する作業という視点で、順番に進めていきましょう。
自己PRが書けないのは珍しいことではない
自己PRを書こうとして手が止まるのは、よくある悩みです。
転職活動では「自分を言語化する」場面が増えますが、普段の仕事の中で自分の強みを文章にまとめる機会は多くありません。
そのため、書けないからといって能力が不足しているわけではありません。
まずは、自己PRは“才能の証明”ではなく、経験を整理して伝える作業だと捉えるほうが進めやすくなります。
自己PRが書けない3つの理由
自己PRが書けないときは、主に3つの理由が考えられます。
- 自分の強みがわからない
- 完璧に書こうとしてしまう
- 転職そのものが不安になっている
このような要因の中でも、つまずきやすいパターンはある程度決まっています。
1つずつ詳しい理由を見ていきましょう。
自分の強みが分からない
自己PRが書けない一番多い理由は、「強み」と言われても何を指すのか分からない状態です。
このとき、強みを「特別な才能」や「誰にも負けない能力」のように捉えてしまうと、材料が見つからなくなります。
実際には、強みは必ずしも大きな実績だけではなく、
- 仕事の進め方(抜け漏れを防ぐ、段取りが早い)
- 周囲との関わり方(相談しやすい雰囲気を作る、連携を整える)
- 工夫のしかた(ミスを減らす仕組みを作る、手順を改善する)
のように、日常的に繰り返している行動の中にも含まれます。
「強みが分からない」と感じるときは、強みを探す前に事実(行動・工夫)を集めるところから始めてみると、自分を見つめ直すきっかけとなるかもしれません。
また、身近な人に聞いてみると意外な強みが見つかる場合もあるので、思考が行き詰まったときには周囲の人に相談してみるのも選択肢の一つとして持っておくと安心です。
完璧に書こうとしてしまう
自己PRは「評価される文章」だと思うほど、最初から完成形を目指しやすくなります。
ですが、最初から整った文章を書こうとすると、
- 言葉選びに迷う
- 矛盾がないか気になって進まない
- 成果が小さい気がして書き直し続ける
といった状態になりがちです。
自己PRは、下書き→整理→調整の順番で作るほうが現実的です。
最初は文章として整っていなくてもよいので、まずは材料を出し切ることを優先すると進みます。
下書きの段階では文章ではなく、箇条書きでもいいのでリストアップしてみると手を動かしやすくなります。
転職そのものが不安になっている
転職活動への不安が大きいと、自己PRの作業は進みにくくなることがあります。
たとえば、
- 落ちたらどうしようという気持ちが強い
- 選択を間違えたくないと思ってしまう
- 今の仕事への自信が下がっている
といった状態だと、「良い自己PRを書かなければ」という負荷が増えます。
この場合、自己PR以前に不安で思考が止まりやすい状態になっている可能性があります。
自己PRが書けないときは、文章だけの問題として扱うのではなく、気持ちの負荷も含めて整理する視点を持つと、次の一手が見つかりやすくなります。
【補足】実際に自己PRを書き直して気づいたこと
私自身も、自己PRで何度も手が止まったことがあります。
振り返ってみると、そのときは
という視点ばかりに意識が向いていました。
そこで一度、評価を意識するのをやめ、
- 自分にできることは何か
- これまでどのように周囲と関わってきたか
といった事実を、箇条書きで書き出してみることにしました。
文章として整えようとせず、材料を並べることに集中すると、自分の傾向や共通点が少しずつ見えてきました。
結果として、「書く」よりも先に「整理する」ことが必要だったのだと気づきました。
自己PRが書けない人が最初にやること
自己PRが進まないときほど、遠回りに見える準備が効きます。
ここでは「最初の一歩」を、負担が小さい順に整理します。
いきなり文章にしない
自己PRを“文章”として書こうとすると、構成・言葉選び・印象まで同時に考えることになります。
その結果、手が止まりやすくなります。
最初は、文章ではなくメモで十分です。
「何を言うか(内容)」と「どう言うか(表現)」を分けると、作業量が減って進みます。
事実だけを箇条書きにする
次にやることは、評価や結論を入れず、事実だけを書き出すことです。
おすすめは、次の3つの視点で箇条書きにする方法です。
- 担当したこと:何を任されていたか(業務内容・役割)
- 工夫したこと:改善、調整、ミス防止など
- 変化したこと:時間短縮、件数、ミス減、周囲の反応など(小さくてもOK)
ここでは「強み」や「アピール」を作る必要はありません。
まず材料を集めることで、後から共通点や傾向が見えやすくなります。
他人から言われたことを書き出す
自分の強みは、自分だけで考えると見えにくいことがあります。
そのため、過去に言われたことを材料にするのは有効です。
たとえば、
- 上司・同僚から言われた評価(「助かった」「任せやすい」など)
- 後輩や他部署からの言葉(「説明が分かりやすい」など)
- 面談やフィードバックの内容
を思い出して、短くメモしていきます。
思い出せない場合は、評価されやすい言葉を作ろうとするより、
- 「よく頼まれていた仕事」
- 「繰り返し任されていた役割」
を書き出してみるとヒントになります。
他人の視点が入ると、自己PRの軸が固まりやすくなります。
それでも自己PRが書けないときの対処法
ここまでの手順を試しても自己PRがまとまらない場合は、「能力がないから」ではなく、材料の扱い方が合っていない可能性があります。
自己PRは、うまい文章を作る作業というより、事実を並べて意味づけをする整理に近い作業です。
「自己PRの型」に当てはめて材料を並べる
文章が書けないときは、いきなり“自己PR文”を作ろうとすると詰まりやすいです。
先に型(枠)を用意して、そこに事実を置いていくほうが進みます。
- 結論(強み):自分の強みは「〇〇」だと思う(仮でOK)
- 根拠(事実):そう言える出来事・行動・結果(数字があれば尚よい)
- 工夫:うまくいくために考えたこと・変えたこと
- 再現性:転職先でもどう活かせそうか(短くでOK)
この順番に沿って、文章ではなく“メモ”として埋めてみてください。
強みの言い方は後からいくらでも変えられるので、最初は仮置きで問題ありません。
「自分の担当範囲」を狭くして書く
自己PRが書けないと感じる人は、
- 仕事全体を説明しようとしてしまう
- 成果を大きく見せないといけない気がする
- 責任範囲があいまいで言葉にしづらい
といった状態になりやすいです。
この場合は、範囲を意図的に狭くして、「自分が触った部分」だけを書き出すと進みます。
- 自分がやった作業(例:手順を整えた、連絡を一本化した)
- 自分が決めたこと(例:優先順位、進め方、確認方法)
- 自分が工夫したこと(例:ミスを減らすチェック、共有のルール化)
大きな成果がなくても、仕事の進め方・再現できる工夫は自己PRの材料になり得ます。
一度「求人に合わせない」状態で作る
自己PRが書けないときは、求人に合わせようとするほど迷いが増えることがあります。
最初の段階では、応募先を意識しない自己PRの下書きを1つ作るのがおすすめです。
理由は、自己PRの土台がないまま求人に合わせると、
- 何が正解か分からなくなる
- 言葉が借り物っぽく感じて手が止まる
- 比較しすぎて不安が強くなる
といった状態になりやすいからです。
まずは「自分の経験を整理したメモ」を作り、応募先ごとに“強調する点を変える”くらいの感覚にすると、負担が下がります。
不安が強いときは「自己PRの前」に整える
転職そのものへの不安が大きいと、自己PRの作業は進みにくくなります。
この場合は、自己PRを書く前に、不安を言語化して負荷を下げるほうが結果的に早いことがあります。
- 不安なことを3つだけ書く(例:面接が怖い、落ちたらどうしよう、選び方が分からない)
- 「今すぐ分かること」と「今は分からないこと」に分ける
- 今すぐ分かることだけ、次の一手を小さく決める(例:求人を1つ見る、経歴を箇条書きに戻る)
不安が強い日は、自己PRを完成させるより、材料の整理だけで止めるのも一つの進め方です。
第三者に「読み手目線」で見てもらう準備をする
どうしても自分だけで難しいときは、いきなり誰かに文章を見せる前に、
“見せやすい形”を作っておくと相談がスムーズです。
- 事実の箇条書き
- 自己PRの型に入れたメモ
- 言われたこと・評価されたことのメモ
この状態なら、文章のうまさではなく、内容の妥当性に目線を向けてもらいやすくなります。
今は収益リンクを置かない方針でも、将来的に「自己PRの整理を助ける方法」や「見直しの手段」を追加したくなったときに、ここが自然な導線の置き場になります。
まとめ
自己PRが書けないと感じるのは、珍しいことではありません。
多くの場合、文章力の問題というより、材料が整理されていない状態で書こうとして手が止まっているだけ、ということもあります。
まずは、いきなり完成形を目指さず、
- 事実を箇条書きにする
- 型に当てはめてメモを埋める
- 担当範囲を狭くして具体化する
といった順番で、自己PR=整理として進めてみてください。
整理ができると、表現は後から整えやすくなります。
不安が強いときは、自己PRの前に不安を言語化して負荷を下げるだけでも、次の一歩が取りやすくなる場合があります。
自己PRは、自分を大きく見せるためのものではなく、自分を整理するための作業でもあります。
焦らず、今できる粒度で材料を集めるところから進めていきましょう。

